吹奏楽でのハーモニーの取り方やポイント!効果的な練習方法は?

吹奏楽でのハーモニーの取り方やポイント!効果的な練習方法は?

音楽は、リズム、メロディー、ハーモニーの3つの要素で構成されています。

様々な楽器の音が重なって奏でられる吹奏楽にとって、ハーモニーは最も大切であると言っても過言ではありません。

そこで今回は、ハーモニーの取り方や練習方法についてご紹介します。

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ハーモニーが取れると演奏はどう変わる?

倍音という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

倍音とは、例えば「C(ド)」を鳴らした時、「C(ド)」以外の音も同時に鳴っていることを指します。

下の動画では、倍音についての説明がとてもわかりやすくまとめられています。

少し英語が使われていますが、言葉がわからなくても大丈夫なので、大まかなイメージだけでもお伝えできたらと思います。

動画にあるように、楽譜上では同じ「C(ド)」を鳴らした時でも、楽器によってそれぞれ倍音が異なります。

音を構成する”成分”が違うので、音色も違って聞こえるのですね。

ハーモニーがきちんと取れると、みんなの音が合わさった時、それぞれの音に含まれる倍音が調和するのでクリスタルのように澄み切った美しい響きが生まれるのです

ハーモニーのとり方のポイント その1「和音・コードについて理解する」

ハーモニーとは「和音・コード」とも呼ばれ、通常1つのコードにつき3つから4つの音で構成されています。

まずは和音の成り立ちを理解し、楽譜を渡された時に自分の音が和音の第何音なのかを知る事が重要です。

例えば、こちらの三和音を見てください。

根音と呼ばれる第1音を「C(ド)」とし、第3音「E(ミ)」、第5音「G(ソ)」から成っています。

音の重要度としては「C(ド)」>第5音「G(ソ)」>第3音「E(ミ)」の順となり、みんなで同時に和音を鳴らす時には根音「C(ド)」が最も強く、第5音「G(ソ)」は根音よりもやや弱く、第3音「E(ミ)」は第5音よりもやや弱くします。

上の例は、三和音の中でも長三和音というもので、明るい感じの響きを持っています。

そのほか、悲しい感じの短三和音、絶望的な(?)響きの減三和音、ふわっと浮き立つような増三和音があります。*下の例は左から短三和音、減三和音、増三和音


近くにピアノやキーボードがある方は、どんな響きがするか、ためしに弾いてみてください。

和音の第3音は弱めに鳴らすのですが、和音のムードの決定はこの第3音にかかってくるので、実はとても重要な音です。

第3音を担当する楽器は、自分の音と全体の音量、音色、ブレンド、バランスなどを注意深くコントロールしなくてはなりませんので、技術とバランス感覚が求められるのです。

 

ハーモニーのとり方のポイント その2「正しい音程感覚を身に付ける」

ハーモニーをとるためには、音程が「正しいのか」「正しくないか」を判断する能力が必要です。

いわゆる音感や音程感覚と呼ばれるスキルですが、これは日々のトレーニングによって鍛えることができます。

 

まずピアノかキーボードを用意し、好きな和音の根音(第1音)をピアノで弾いて、同じ音を歌ってみます。

 

次に、ピアノの音はそのままで、その根音から5度上の第5音を歌います。

自分の音程が合っているか心配な人は、時々ピアノで根音と第5音を同時に鳴らして確認しましょう。

 

そして、同じ要領でピアノで根音を弾きながら3度上の第3音も歌ってみます。

 

いかがでしょう、重なった音はキレイに響いているでしょうか。

この方法で音程感覚がついてきたら、今度は歌う代わりに実際に自分の楽器を使って練習します。

 

ピアノ役は誰か友達に弾いてもらうか、ハーモニーディレクターを使っても良いですし、できればあなたと同じ楽器の仲間に相手役をお願いできたら理想的です。

*参考 ヤマハ ハーモニーディレクター

ハーモニーのとり方のポイント その3「ユニゾンで合わせる」

ユニゾンの練習は、全体で合わせる前に、クラリネットやトランペットなどの同じ楽器同士、同じパート内で練習します。

なぜパート練習をするかというと、音程が揃っているかどうかは、少人数で合わせた時の方がはっきりと確認できるからです。

パートで揃わない音は、全体でもうまく揃いませんよね。

 

パートのみんなで全く同じ音をユニゾンで鳴らしてみたときに、濁った音がしていないか?を確認します。

音程がずれているメンバーがいたら、決して責めずに(重要!笑)何が原因になっているか考えます。

 

息のコントロールなのか?そもそも楽器やリードに問題があるのか?

みんなと同じ音が出せるように協力しましょう。

それぞれのパートで音が合ってきたら、全体練習でユニゾンを合わせます。

ハーモニーのとり方のポイント その4「1−5−3の順で音を合わせる」

同じパート内でユニゾンがきれいに鳴らすことができたら、次はパート内を根音を鳴らすグループ、第3音を鳴らすグループ、第5音を鳴らすグループの3つに分けます

自分のパートだけでは人数が少なすぎる、という場合は木管の仲間・金管の仲間で集まってグループ分けしてみてください。

 

やり方はシンプルで、根音のグループが最初にロングトーンを鳴らし、次に第5音のグループ、最後に第3音のグループの順番で音を重ねていきます。

和音の要(かなめ)である根音はしっかりとした音量が出ているか、第5音は根音を邪魔していないか、第3音は他の2音に比べて弱めにしつつふさわしい音色を出せているか聞いて見ましょう。

 

ユニゾンの練習方法と同じ手順となりますが、次は全体を全体を根音を鳴らすグループ、第3音を鳴らすグループ、第5音を鳴らすグループの3つに分けて、順番に音を重ねます。

通常、全体においてのグループ分けは楽器ごととなりますが、指導者の先生や部長の指示に従ってください。

 

参考になる動画がありますので、よろしければ参考にしてみてくださいね!

 まとめ

ハーモニーとは、、、と説明されても、いまひとつピンとこないなぁ、という方もいるかもしれません。

でも、みんなでいい音が出せたとき、「決まった!」「かっこいい!」とジーンとしたり、体中で良い響きを感じて感激した経験はありませんか?

その「今の響き、すごく気持ちいい!」と感じられる事はとても大切です。

理屈だけでなく感覚も大いに使って、ぜひ良い響きを探求してみてください!