吹奏楽でコントラバスはなぜ使われる?役割と重要性にはこんな理由があった!
コンクールや演奏会などで、ひときわ存在感を放つ「コントラバス」。
なぜ管楽器ばかりの吹奏楽で、弦楽器であるコントラバスが存在するのか?
今回は吹奏楽でのコントラバスの役割と重要性に迫ってみたいと思います!
吹奏楽でコントラバスはなぜ使われる?
コントラバスは、そもそもチューバなどの低音の管楽器ができる以前に、低音パートとして使用されていたようです。
低音の管楽器が出来てからも、作曲者が曲を作る際に、弦楽器特有の響きが必要だと感じた場合には積極的に取り入れられてきました。
特にクラシックを吹奏楽アレンジしたものなどでは、コントラバスの重厚な音は欠かせないようです。
だからきっと、今でも需要がなくならずに吹奏楽で使用され続けているんでしょうね。
実際、吹奏楽の強豪校や、プロのバンドには必ずと言っていいほどコントラバスパートが見受けられます。
コントラバスのいるバンドの演奏は、響きがあって深みのある演奏が多いので、つい聴き入ってしまいます。
吹奏楽におけるコントラバスの役割とは?
コントラバスの役割は、ずばり低音の厚みを出すということに尽きるでしょう。
コントラバスの音域はチューバと一緒か、もしくはチューバの音域よりさらに1オクターブ下の音域まで出すことができます。
そのため、管楽器だけでは作れない音の深みを出すことが出来るんです。
音楽はよく三角形に例えられるように、低音>中音>高音のバランスが一番ベストだと言われています。
例えば、フルートやクラリネットなどの高音域の楽器が多く、低音域のメロディが少ない演奏はどう聞こえると思いますか?
人間の耳は、低音域の音よりも高音域の音の方が捉えやすいように出来ているため、いくら個々が上手い演奏をしたとしても、なんだか騒がしくてふわふわした演奏に聞こえてしまうんです。
そのため、低音がしっかり響いていないと、なんだか厚みのない、心に響かない音楽になってしまいます。
しかし、実際のところ、低音を担当する楽器は多くありません。
チューバを筆頭に、ファゴット、バスクラリネット、バリトンサックス、バストロンボーン…
どうしても人数が少ないバンドになってしまうと、クラリネットやトランペットといった花形楽器の方が人気で、上記にあげたようなちょっと特殊な楽器には人が割けないなんてこともありますよね。
小編成だと低音パートはチューバが一人だけ…なんてことも。
そのため、一人でも十分な存在感を発揮する「コントラバス」を取り入れる学校は少なくありません。
吹奏楽におけるコントラバスの重要性とは?
前述でも解説したように、コントラバスは大事な低音パートの一員です。
では、チューバや低音楽器たちの補佐的な役割しかないのでしょうか?
いえいえ、コントラバスの重要性はそれだけではないんです。
2mもの大きな楽器本体は、実は中は大きな空洞になっており、自分の奏でた音のみならず、周囲の楽器の音も取り込んでよく響いてくれます。
これは弦楽器の特徴でもあり、音を前にまっすぐ飛ばす管楽器と違い、周りの楽器と共鳴しながら周囲に音を鳴らすのはコントラバスの魅力です。
言わば、「バンドの共鳴増幅装置」とも言えます。
また、この特徴を活かし、チューバの音の荒々しさをカバーし、マイルドな音に仕上げてくれるという効果もあります。
チューバとコントラバスが絶妙にマッチし、低音がしっかり鳴ってくれることで、他の主旋律を演奏する高音・中音楽器も演奏しやすくなります。
まさに「縁の下の力持ち」ですね。
コントラバスは、活躍する機会も少なく、地味な楽器と思われがちですが、実は重要な役割をたくさん担っている楽器なんです。
まとめ
コントラバスの吹奏楽で役割や重要性、分かっていただけたでしょうか?
こうしてみると、コントラバスって本当はすごくかっこいい楽器なんだって思いますよね♪
私も学生時代、自分の所属するバンドにコントラバスがとってもうまい先輩がいて、トランペットを担当しているにも関わらず、密かにその先輩に憧れていました(笑)
進学と同時にコントラバスに転向しようかとも考えましたが、顧問の先生に一朝一夕で演奏できる楽器ではないよと言われ、泣く泣く諦めたのを思い出しました…^^;
今度、コントラバスがいるバンドの演奏が聴ける時は、ぜひ意識して聞いてみて下さいね♪