吹奏楽の譜読みトレーニング!7つの効果的な方法
楽器のレッスンや吹奏楽の練習などで「譜読み」という言葉をよく耳にします。
「譜読み」とは、初めて目にする楽譜から、調、拍子、テンポ、リズムなどから曲調を理解し、全体のイメージをつかむ作業のことです。
譜読みが早く正確にできるようになると、たくさんの曲を勉強することができるので、音楽の経験値が増えます。
また、楽器の練習の上達スピードがアップしたり、何より楽曲への理解が深まるので、音楽的に素晴らしい演奏ができるようになります。
是非とも身に付けたい譜読みスキルですが、どのようなトレーニングをしたら伸ばすことができるのでしょうか。
トレーニングの順番も重要なので、一つずつ順を追ってご紹介します。
譜読みトレーニング方法 その1「調、拍子、テンポなどから曲全体のイメージをつかむ」
まず、最初に取り組んで欲しいのが、全体をざっと見渡し楽曲のイメージをつかむ作業です。
長調か・短調か、テンポは早いのか・ゆっくりなのか、優しい感じか・力強い感じかなどを捉えます。
この段階では自分のパートのみではなく、全部のパートが書かれた総譜を使うのが理想的です。
全体をざっくりと見渡す時は、音を一つ一つ見るのではなく、フレーズごとのかたまりを絵のように捉えるのがコツです。
下の楽譜の例を見て、なんとなくで良いのでそれぞれのパートがどの様に動いているか、かたまりを感じてください。
*わかりやすくするため、全てのパートをハ長調で書いています。
譜読みトレーニング方法 その2「自分のパートの役割を確認する」
楽曲によって、それぞれの楽器に与えられた役割が違います。
ここでも総譜を使い、曲全体に対して自分のパートはどんな役割なのか確認します。
メロディーなのか、メロディーに寄り添う内声なのか、はたまた全体を支えるベースなのか。
自分の役回りがわかると、どこで目立つべきか、抑えるべきかなど演じ方が見えてきます。
先ほどの楽譜をもう一度見てください。
フルートとホルンがメロディーを担当し、クラリネットがメロディーの3度上の音でハモっています。
この楽譜には強弱が書かれていませんが、クラリネットはフルートとホルンに比べて少し抑えめな音量で演奏することが求められそうだ、ということがわかります。
譜読みトレーニング方法 その3「音を階名(ドレミ)で読む」
文字が読めなければ文章を読むことができないように、楽譜が読めないと音楽を奏でることができません。
楽器によって、楽譜に使われている音部記号(ト音記号やヘ音記号)はそれぞれ異なるので、最初から全ての音部記号で譜読みをするのは大変です。
ですので、まずは自分の担当楽器の楽譜はスラスラと読めるようにしましょう。
楽譜を見て、頭の中で音程まで鳴らせるようになったら、かなりのもの!
このスキルは、実際に楽器を使って吹いた時に大いに役立ちます。
この音を階名で読んだり歌ったりするトレーニングは、別名「ソルフェージュ」や「新曲視唱」とも呼ばれ音楽高校・音楽大学の入試科目になっています。
こちらのスマートフォンiOS用のアプリ「新曲視唱」では、はじめて目にする楽譜を歌うことができます。音程が正しいかどうか採点してくれるので、ゲーム感覚で楽譜を読む力をトレーニングすることができます。また、設定画面からシラブル(音名)を表示することもできるので、音名読みの答えあわせをすることもできます。
よろしければ参考にしてください。
新曲視唱(無料、アプリ内課金あり)
https://itunes.apple.com/jp/app/%E6%96%B0%E6%9B%B2%E8%A6%96%E5%94%B1/id966765346?mt=8
紹介用の動画
https://www.youtube.com/watch?v=uYeV9TP7K5Y
譜読みトレーニング方法 その4「リズムをチェックする」
まずはリズムだけを正確に刻めるようにします。
次に、“その3”で確認した音程を、リズム付きでタタタ〜と歌います。
複雑なリズムは分解して考えましょう。
例えば、付点四分音符=四分音符+八分音符などという具合です。(例)
タイがあって難しく感じる場合は、一度取り除き、読めるようになったら再びタイを付けて読みます。(例)
譜読みトレーニング方法 その5「アーティキュレーション」
スラー、スタッカート、タンギング、アクセントがどこについているかを確認します。
まだ楽器を使わず、その3、4でやった“階名をリズム付きで歌う”にアーティキュレーションを加え、口でシュミレーションしてみましょう。
譜読みトレーニング方法 その6「歌いながら指を動かす」
その3、4、5で行った、“階名をリズム・アーティキュレーション付きで歌う”をしながら実際楽器を鳴らすように、指を動かします。
頭に流れている音楽と運指を頭の中でつなぐイメージを持ってください。
楽器に慣れている人は、音楽を聴くとそれに合わせて指が動いてしまう人がいますが、同様に楽譜を眺めていると、指がウズウズ動き出すようになってきますよ!
譜読みトレーニング方法 その7「楽譜を見ながら音源を聴く」
楽譜を見ながら音源を聴き、楽譜のみでつかんだ曲のイメージと一致しているか、自分が頭の中で鳴らしていた音はあっているか、確認します。
最初は楽譜を眺めても、白い紙におたまじゃくしが印刷されているだけで頭の中に音楽が流れて来ないかもしれません。
または、頭の中の音楽と実際の音楽が違うこともあるでしょう。
でも、想像力を駆使しながら楽譜を見るようにしていくと、だんだんと頭の中だけで正しい音楽を鳴らせるようになります。
これら全て、実際に楽器を吹く前に行うのには理由があります。
譜読みと楽器の操作を同時に行うと楽譜の理解が十分でないまま脳が楽器の操作に集中してしまい、結果的にミスが多くなったり、楽曲への理解が浅いままということが起きてしまうからです。
仕事を細かく分割することで、効率よくこなすことができるのです。
まとめ
譜読みのトレーニングで重要なことはどのようなポイントを押さえて楽譜を読むかを明確にし、適切な順番で行うことです。
譜読みに慣れないうちは、やることが多くて「ちょっと面倒だなー」と思うかもしれませんが、実際にやってみると短い曲なら30分くらいで終わらせることができます。
少し面倒なぶんの価値は確実にありますよ!